「あーそれ分かる・・・」と共感の嵐の漫画『まじめな会社員』。
ここで言うまじめさとは、自分の目的のために地道に積み上げる勉強や、真摯な探究心のことではなく、学校などで教わるような、目上の人にとって扱いやすい、他人の邪魔にならない、手煩わせない、他人の快適さのために律儀に行動できる「まじめ」を指しています。
『まじめな会社員』4巻より
あなたも自分の欲求を通すことがうまくできず、無益な我慢をしてしまい、卑屈になったことがあるのではないでしょうか。
私も「なんで私だけ・・・」とモヤモヤしたことがありました。
でも、『まじめな会社員』を読むと、は主人公を通して、自分の心の隅にあるモヤモヤを見つけて共感できます。
悩んでいるのは、私だけじゃない・・・・
また、『まじめな会社員』は「このマンガがすごい！2023 女編」の3位に選ばれ、話題になっています。
本記事では、『まじめな会社員』のあらすじと最終回の感想（ネタバレあり）について、
私が感じたことと魅力を余すことなく伝えていきますが、『まじめな会社員』が4巻全て読めて、
同じく「このマンガがすごい！2023」に選ばれた『天幕のジャードゥーガル』や『ジーンブライド』も
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悩んでいるのは私だけではない、そんな心の軽くなる瞬間もある素敵な漫画の世界を存分に味わってください。
漫画『まじめな会社員』単行本のあらすじ
『まじめな会社員』は1巻〜4巻が発売されていて、4巻で完結です。
1巻ずつ簡単にあらすじをまとめます。
漫画では主人公あみ子の脳の中での自問自答に共感ポイントがありますので、実際に読んでみることをおすすめします。
そして、物語の途中で出てくる解説もかなり面白いので注目ポイントです。
コロナ禍における、新種の孤独と人生のたのしみを、「普通の人でいいのに！」で大論争を巻き起こした新人・冬野梅子が描き切る！ 菊池あみ子、30歳。契約社員。彼氏は5年いない。いろんな生き方が提示される時代とはいえ、結婚せずにいる自分へ向けられる世間の厳しい目を、勝手に意識せずにはいられない。それでもコツコツと自分なりに築いてきた人間関係が、コロナで急に失われたら…！？
漫画『まじめな会社員』1巻（1話、2話、3話、4話、5話、6話）あらすじ
漠然とマッチングアプリをやって早1年。
彼氏はできないし、すでに5年は彼氏がいない。
そんなこと言ったら世間は阿鼻叫喚だから、人前では絶対に言わないあみ子。
そんなあみ子が自分らしく生きている同僚に誘われて参加した読書会で、定型文ではない自分の意見を言え、手応えと爽快感を感じます。
素敵な男性（今村）にも出会いますが、ここはすぐに撃沈・・・。
恋愛の土俵にさえ上がっていない・・・。
だから、やっぱりマッチングアプリとちゃんと向き合おうとします。
また、過去の告白が友達関係を微妙に変えてしまったことで、「失敗したら多くを失うってよく覚悟しておくべきだった」と告白は、人を遠ざけるのだと教訓にしています。
年始の帰省で両親の結婚話や、的外れな反応にイライラしながらかわすあみ子。
そんなあみ子に待っていたのは、コロナでした。
漫画『まじめな会社員』2巻（7話、8話、9話、10話）あらすじ
コロナでの自粛生活のスタート。
自粛生活を嘆く人たちを尻目にあみ子は自粛前も自粛後もたいして変化のないことに気づいてしまいます。
おうち時間ならずっとやっている・・・。
自粛中でも例外的に会えるのは、友達以上家族未満で気軽に迷惑をかけ合う前提の相手。
3.11のような未曾有の危機にも一人ぼっちだったあみ子は、辛い時こそひとりなんていつものことと自分の宿命だと強く生きようとします。
そんな中、周囲の人は仲間と楽しそうにしている様子をSNSにアップしています。
やっぱりさみしい気持ちになってしまうあみ子。
そんなあみ子も誰かのいつメンになりたくて、いつもより場に溶け込もうと頑張ります。
しかし、「変なことしないで欲しいんだ・・・」と締め出されてしまいます。
なぜ、いつも空回りしてしまうのだと悲しみに立ち尽くすあみ子が、最後に描かれています。
2巻の最後には特別収録として『普通の人でいいのに！』がありますので、こちらもぜひ楽しんでください。
漫画『まじめな会社員』3巻（11話、12話、13話、14話、15話、16話）あらすじ
就活の頃を思い出しながら、いつもずっと先のことを考えていて将来のために今を蔑ろににしていたことに気づきます。
どんなに備えても「先のことはわからない」で、何も読みが当たっていないのです。
結婚も出産もしなかったし、予定もない・・・。
そんな時に会った女性にこんなことを言われます。
「今ってそんな好きな人とかいります？別に結婚とか恋愛とかの圧もないし、無理しなくてもいいじゃないですか」
自分は恋愛の学習性無力感なのか？と思いこれは打破せねばと思います。
そして、経済的自立を目指していくのです。
未来の不安のために今を保留していた日々から卒業すべく、今、何がしたいかを見つめ始めます。
経済的自立を目指して始めた副業のライターのおかげで、心の余裕も出てきます。
なんだか前に進みそうな、ちょっと期待する最後で4巻へ続きます。
漫画『まじめな会社員』4巻（17話、18話、19話、20話、21話、最終話）あらすじ
自分を好きになり、他人を羨まずに済んでいるあみ子でしたが、母親の病気で実家に帰ることになります。
このまま実家から帰ってこれなかったら絶対に嫌だと思って実家に向かうあみ子の3年後・・・
なんと、実家のある東北で郵便局のパートをしながら実家暮らしを続けていました。
最初はライターをしながら東京に戻ろうと思っていたけど、実家にいるとライター作業に集中できず、次第にやる気をなくしてしまいます。
実家にいれば、帰って来ればご飯が出てくる、収入が10万未満でも貯金もできる。
もう東京なんて関係ないと思うあみ子は最後どのような決断をするのでしょうか。
漫画『まじめな会社員』最終回（最終話）のネタバレ感想、イライラする？
1歩進んで2歩下がる（進んでいない・・・）。
『まじめな会社員』を読んで率直に感じた感想です。
これをイライラすると感じる人もいるかもしれません。
頑張ってきた努力が正当に報われるわけでもなく、ましてやキラキラと輝いて見えるわけではないのです。
それが現実。
だから、その現実の中で自分の納得のいく生き方に折り合いをつけていくのが歳を重ねることなのだと思いました。
最終話で出てくるこのセリフが印象的です。
みんなもう誰かとの生活があり、今いる場所に落ち着く年齢になった。
『まじめな会社員』4巻最終話より
誰も同じ物差しで測れなくなった
お陰で比べても仕方ないって思える。
あみ子は最後、東京に戻ることを決意します。
「私は幸せじゃない。でもやっていく」
全部受け入れて、今を生きる、精一杯生きる、失敗しても全部ひっくるめて自分なんだと最後はホロリと涙が出そうになってしまいました。
キラキラしているように見えても、みんな何か悩みやモヤモヤを抱えて生きているものです。
だから、他人軸ではなく自分軸で生きていく道を一生かけて探していくことが人生なんだなぁと思いました。
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『まじめな会社員』のあらすじや感想だけでは、物足りない！という方はぜひ、漫画を読んでみることをおすすめします。
あみ子の脳内の自問自答に共感して、自分なりの前への進み方を発見できると思います。
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こちらの記事でebookjapanについてまとめてありすので、のぞいてみてください。
漫画『まじめな会社員』単行本のまとめ
あみ子の脳内自虐トークに「あ〜、そういうの分かる」と共感満載の『まじめな会社員』。
自分の人生にどう折り合いをつけていくのか？を探すことを考えさせられる漫画です。
答えは人それぞれ。
納得のいく人生を、たくさん失敗しながら、たくさん痛い思いをしながら見つけていく自分を、ギュッと抱きしめたくなる読後感です。
私だけではない、とちょっぴり勇気をもらって明日も歩んでいこう。
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